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アーカイヴズとして

思えばすごいものだ。インターネットによって授業が行われる時代である。(←今更遅いけど、あらためて)。遠く提携校や姉妹校で行われる授業を同時に受講できる。通信教育もWebで展開される。「標準」「遍く等しく」という基準が根底にあるのだろうが、つくづく至れリつくせりだと感じる。不都合という言い訳もできないほどだ。教えを請うのにはお金と時間がかかるという意識がある私は、とても便利になった反面、人との関わりも希薄になり、生(ナマ)授業は、DVD鑑賞と劇場鑑賞の違いぐらい、違いあるものであってほしいなどと考えたりしている。

以前に、卒論時のWeb上の資料の剽窃に触れたが、先日、NHKでも取り上げていた。また、全世界の大学ランキングで、不振にあえぐ大学の記事を読み、ランキングにはWeb上での引用論文数も含まれるとのこと(と記憶しているが不確か.VERONICA登場か?)で、インターネットによって教育の様相は、よくもわるくも標準化への路を辿る気もする。

さて、拙ブログでよく登場するyou tubeなどは無料であり、保存もできる。貴重だと思えるものは沢山ある。DVDなどにならずに終わっている数々の名演(書物では表せない芸術表現)を個人で保有しているかたが、流してくれている映像もそのひとつである。

もしかしたら、どこぞのアーカイヴズに収められているかもしれず、ある一定の、特定の人にしか目に触れ得ないものが、全世界に向けて発信されるのだから、ゾクゾクする。ただ、知的財産権、著作権、肖像権、個人情報保護等の問題で、世界レベルでの共通の意識、価値観が必要となるにちがいない。(自分基準の「ささいなこと」と思っても、大きなトラブルにならないことを願っている。落書き、誘拐、拉致のように)

さてアメリカJulliard音楽院の過去の授業がUPされて間もない。またまた音楽の話しで申し訳ないが、マリア・カラスによる授業、しかも9月に歌うズバリ「ラメルモールのルチア 2幕」の歌唱指導を発見した。映像はないが、かなりクリアな音声で残っている。

音の様子から、かなり彼女に近いところで録音されているのがわかる。なかなか厳しい授業である。その場面の感情表現や「こう歌う」という観念つまり解釈が大変明確で確固たるものである(当たり前すぎる)。ソプラノ(Lucia役)などは、かなり長く唄わせたあと、“nonononoNONッ!! One momentッ・・・(生徒はまだ歌っている)・・PLEEEASE!”と制止され「高い音が上手に出せる、きれいな声で歌えても、その場面は決してそのように唄うな」と強い口調での指導から始まる。バリトンに対しても、Enricoの立場として、言葉、発音の明確さを要求する。

彼女が歌ってみせる(指導する)ところがまたまたすごい。とても丁寧な指導である。「わかる?」と何度も確認しながら、自分のLuciaを指導していく。そのあとに、彼女のCDを聴いてみると、全てがその通りではなかったが、逆に若い将来の歌い手への期待が伝わってくる。受講料なしで、そんな厚い授業が聴けた。

インターネットの利用価値、方法というのはそれぞれに異なるだろうが、今蘇る彼女の講義に、あらためてすごい時代だ・・と感動にもにた驚嘆の気持ちを味わった私である。
by lakeforest | 2008-07-03 12:21 | 雑感

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