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線引き

ある日、近くのコンビニエンスストアに行くと、お店の脇に老齢の女性が座りこんでいました。

このコンビニエンスストアには長く勤めている女性の店員さんがいて、何気なく、タメ口まではいきませんが、個人的な感情や興味をチョロっとお話しできる間柄になりました。

例えば、「この商品に景品がついているはずだと思うけど、こちらのお店のものにはついてないの?」と。すると、その店員さんが「ちょっと待ってくださいね」と言って、裏から本当はついているべき景品を山ほどもってきて、好きなのを選んでいいですよと言って1つ下さったり・・。

先日などは「このバイク(お店の前に展示場のようにきれいに並べてある)、お店の中の人の人数と完璧あわないけれど、無断で駐車しているっていうこと?」とか。すると、この頃警察署の自転車やバイクの駐車チェックが厳しく、こちらの住宅街の方まで無断駐車が増えていることやライダー仲間で連絡を取り合っているのか、このコンビニの前は平気で無断駐車が増えたとか教えてくださる。なるほど彼女の言う通り、住宅街の入口つまり繁華街との境界線から先はバイクや自転車の駐車がなくなっている!と、彼女との何気ない会話を楽しむようになったのですが・・・

その日も、彼女のレジに進み、聞いてみた。「あのおばあさん、座り込んで「助けて」っていっているけれど・・・警察を呼ばなくてもいいのかしら?」(←本当に心配しているなら、そのおばあさんに直接話しかければいいのに・・・)「大丈夫だと思いますょ。さっき自分で救急車をよんでいましたから」「救急車は?こないの?」「ええ、いつものことだからじゃないですか?いつもアルコールがかなり入っていて、わからない状態なんですよね」「認知症とかアルコール依存症者なのかしらね」「さぁ・・・」

レジを終えて外へ出ると、女子中学生が2人、おばあさんを支えてどこかへ行こうとしていました。すると、後から3人の学生が、その2人の中学生を呼びにきました。どうやら、関わるなといいたそうです。近づいて、おばあさんを支えている2人の腕をひっぱります。そしておばあさんは転倒。大きな叫び声をあげて車道に座りこんでしまいました。その車道は一方通行で抜け道の出口付近なので、大変です。

自転車に乗り、途中まで漕ぎ出していた私は結局引き返し、女子中学生軍団と一緒におばあさんをコンビニの入口に引き返させ、しばらくして警察を呼びました。認知症による徘徊かアルコール依存症か・・・。私は自分の対応を含めて、ある種のむなしさを感じました。

話は変わりますが、いつも職場の清掃や管理をして下さっている職員のかたがたとちょっと仲良しになるのですが・・どんなに遠くにいてもどなたにも「おはようございます」と声をかけてくださるかたがいらっしゃいます。そのかたは、館外の道路なども両隣まできちんと清掃してくださり、木の色づき方や葉の色から感じる環境問題など様々なことを教えてくださいます。

先日も「おはようございます」と声をかけてくださいました。「おはようございます。落ち葉の季節が終わりましたねぇ」と私。すると「この頃遅い出勤ですねぇ。寒くなりましたから、お体気をつけてくださいね」「えぇありがとうございます。○○さんも」と。(おっしゃるとおり、考えてみれば、いつもより45分近く遅れて出勤している日々)

日常生活の中の数十秒の挨拶で、互いを思いやる温かいコミュニケーションを交わせられることに感謝しながらも、先日のコンビニ騒動が蘇ります。路上に寝そべっている人を物のように見てしまいがちな世の中・・・自分の行動選択も含めて、問われるものはまことに大きいと感じた次第です。
by lakeforest | 2007-12-13 11:49 | 社会

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