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言葉づかい

子どもの頃から、言葉遣いについて、厳しく両親に躾けられました。

常日ごろから、家での言葉遣い=外での言葉遣い、つまり、言葉遣いのバリアフリー、使い分けなしを目指していた母です。ですから、家の中でも、いわゆる敬語を含めて、まったく親子で崩した言葉遣いはしなかったわけですね。(←ふつぅ~かもしれませんが・・)

学生時代、我が家の電話取次ぎをめぐり、お昼休みが盛り上がりました。大抵、盛り上がるという場合は面白可笑しくとりあげられるわけでして、それはどういうことかというと、(そのころはまだ黒電話で保留などありません)電話口が拾う音に耳をとぎすましていた同級生が聞いた呼びかけ言葉です。階下から2階の私の部屋へ母が呼びかけた「○○さ~ん、同級生の○○さんからお電話よぉ~。お待たせしないで、おりていらっしゃぁい」という一言。(洋館で吹き抜けなのでよく響きます)

何のことはないと思うのですが、どうやら、私の同級生の家族は親が子を呼ぶとき、名前を呼び捨てする家族が多かったようなのです。考えてみれば祖母も私が小学生になってから、さん付けで呼んでくれていましたっけ。

そして、結婚後、夫はサラリーマン生活も短く、どちらかというと言葉遣いはべらんめぃ調というか、お構いなし。おまけに仕事柄、学生を相手にすることが多く(関係ない?)「だろッ?」「○○じゃないかぁ~」という本当になんともはや・・(汗)。よくぞ、これで仕事が成り立つと思うのであります。私との会話もそのような感じが多いのでございます。まぁ、子どもたちには「○○しましょう」とか言っておりますが、所詮借り物。化けの皮なんてすぐ剥がれてしまいます。

そんな夫ですが、まだ大学生の頃、かなり親しい友人関係だったときに(←変な表現ですが)、不意に私のことを新聞紙の筒でおふざけで殴ったことがあり、その時に私が「イテっ」と小声でささやいたのを見逃さず、「イテっはないだろう!」と注意されたことがありました。それこそこちらが、メッキでございますゎね。

まぁとにかく、今は、とてもとても子どもの頃からの不文律:「うちとそととの言葉遣いのバリアフリー。家での言葉遣い=外での言葉遣い」からは程遠いわけでございます。

でも、これは大変なことだと最近考え直しております。よく、使い分けができればよいとは言いますが、咄嗟にでる言葉というのは普段のありのまま、地が出てしまうのですねぇ。ですから、今はかなりの調教が必要だと思います。

つい最近まで(気をつけねば・・)と感じていたのは、「やつ」という言葉です。これはかなりくせもので、「この間ボッテガで新作のバッグみつけたのよ?」「あら~、私も見たわ。あの赤いヤツ、いいと思わない?」と使うものです。これはかなりのマダムの間で聞く、バランスの取れていない「イテっ」に匹敵する代物です。よ~く聞いてみるとかなり蔓延しております。

昔、ある本で「○○しましょう」という語尾は優れものであると目にしたことがあります。
これは、そこかしこで使わせていただいております。この頃は、年老いた母に物申すとき、冠を曲げることのないように導きたいときも使用。「お母様、これは○○なので、こうしましょうょ」というように。

何故、こんなに長く言葉遣いのことを話しているかというと、カチンカチンときた言葉遣いをされたからです。しかも同じ百貨店のレジで、気がついてみれば同じ人からです。

一度目はおつりをいただきそこねて、帰りかけ、8歩ぐらい歩いて気がついてレジに戻りました。
「おつりおつり、お・つ・り!お客さんったら・・」という言葉は私のことだったのだと気がつきました。ふと彼女を見ると、ゆっくりと印字されているレシートを片手でひっぱりながら、次のお客さんにむかって(どうしようもないわね、まったく)というような顔(困ったというより、呆れた顔)をしていたのです。普通は「お客様ぁ~、おつりを~」ぐらいでしょう。おつりを忘れたからってどなりにいくような、つまり貴方に不利に働くわけでもないのに・・と思いながら、私は「ごめんなさい、おつりでしたわね」と。

1週間後ぐらい、同じ百貨店のレジで「紙袋に入れさせていただいて宜しいでしょうか?」と聞かれたので「(かごの中に入れたエコバッグを指し)結構ですよ、バッグを持っておりますので。何も包まなくて」と応えたところ、速攻「へッ、いらないんですかぁぉ~ぁ?」って。(なぜ「ぉ」を入れたかと言うと、一旦トーンがさがって上がった、いかにも不都合そうに・・)

おかしいナァと思って、確認すると、以前と同じかたでした。
感情丸出しのこの表現、接客業としたらバツバツです。よっぽど職場の近くのスーパーのレジのかたの対応のほうがプロです。

親しみをこめた会話(タメ口に近いもの)はそのような話ができる関係を築いた人同士ではないかぎり、あまり気持ちのよいものではありません。

人にもよりますが、今まで、とくにお役所(地方自治体から官庁まで)、高齢者関連、保健衛生関連で、「分からない人」「子ども」を扱うかのような言葉遣いをされているかたを多くみかけます。時に『私とあなたはそんな言葉遣いで話をする間柄なわけ?』と思ったりしましたが、そんなかたには、なお更、慇懃無礼なほど敬語を使いまくっちゃう私です。

そのうち私も「おばぁちゃ~ん、おつりわすれてますよぉ。気がついてよかったねぇ、エコバッグもってても、肝心なおつりはわすれないようにしようねぇ。」とヘルパーさんに言われる日がくるかもね。そうしたら「そうおっしゃるあなたはどなた?」としらばっくれちゃうゾ!

私もこれを機会に気をつけます。いかがでしょう、ご一緒に「言葉遣い」、見直してみませんか?なにより「言葉」は心や態度の表れ、人という動物に唯一与えられたものなのですから。(礼)
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浜離宮の、「の」の字を描いたような藤の木の合間から見た庭園。
by lakeforest | 2007-11-02 09:59 | 教育

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