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流星を見た若者のごとく

立場を弁え、礼節を重んじる・・・大切なことでありながら、失われつつあることではないかと感じています。子どもが描いた4コマ漫画に、短い鉛筆と長い鉛筆の話がありまして、自己主張が強く、背が高くていばっている長い鉛筆に対し、短い鉛筆が「背はちいちゃいけれど、ワシの方が長く生きておるのになぁ」と心の中で反発する模様が描かれていました。

年令や立場、業界のしきたり、職場や団体活動においてはそこに属している年月など、心配りをしっかりとしなくてはならないことがあると思います。そういう私も、様々な家外活動をしている中、色々な立場が混在してしまい、振り返ると反省ひとしきり・・ということもあります。(もともと心配りが薄い)

私は、相手の意見を批判し、自分の論理や意見を押し通す人が苦手です。たとえ正論であっても・・。人というより姿勢と言ったほうが正しいかもしれません。そんな自分が会話をするときに気をつけているのは、相手の話を聞こうとする気持ちです。同意する点は同意し、反論があった場合には相手の意見を受け止めたうえで、自分の考えを語尾を柔らかくして語るように心がけています。(なかなか実行できない部分も正直ある。多分にある)

先日、テレビをつけると「俳句甲子園」なる番組を放映していました。
1チーム5人1組で、2チームに分かれ競うのですが、相手の句に対して、助言や分析をしながら評価や質問をします。そして相手からの質問や批判を上手く交わしながら反論し、いかに自分たちの句が素晴らしいかをアピールしミニディベートをします。判定は審査員のかたが行うのですが、今回準決勝、決勝を見ていて、優勝したチームは彼らたちの句も素晴らしい句なのですが、同時に審査員をも納得させてしまうディベート上手だったといえました。この人たちは普段から、このように切磋琢磨、ディベートしあいながら、盲点のない俳句作りを心がけ、極めているのだろうか?

残念だったのは、他のチームが優勝したチームの雰囲気に呑まれるというか身構えてしまい、自分たちの句の素晴らしさをゆったりと自分たちのペースで話せたチームが少なかったのではないかと思いました。自分の感情、見聞きしたものから感じたことを決められた字数に表す・・・感覚的なことでありながら言葉選びの裏づけがしっかりしているというのは難しいですよね。

私自身は俳句を知らない(作ると標語や川柳もどきになってしまう(汗))のですが、優勝を争ったチームの中で、聞いた瞬間に素敵だなと思える句に出会いました。

「山頂に流星触れたのだろうか」
という句です。疑問形で終わるこの句は若者の素直な気持ちが表れており、個人的には、流星の躍動感と大きな可能性を秘めた若者自身を感じさせてくれる素敵な句だと思いました。優勝チームは正論で反論したのですが、審査員はその句を提示した側に軍配を上げました。(拍手)

もともと会話でも疑問形が好きな私。
結果的には、年功序列関係なく、相手を尊重することが礼節を重んじることの基本であると感じます。論述に長けている者の雰囲気に呑まれないように心に余裕を持ち、相手への優しさと尊重を忘れずに心がけて歩んでいきたい・・・。

澄んだ夜空のもと、流星に出会った若者はどんな気持ちだったのだろうと思いながら・・・。
by lakeforest | 2007-10-10 04:53 | 雑感

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