ありがとうの棚上げ

昨日は晴れ晴れと家を出て、慌てない、急がない、無理しない・・・などと思いながら駅に向かいました。

たくさんの人を見ると、何だか湧いてくる緊張感と何気ない闘争本能・・・二重大縄に入る列を待つ気分(呼吸とタイミングを合わせるような・・・)。それでも『時間は余裕だから大丈夫、慌てない』と一歩引く。

改札に一歩入った瞬間、時刻の電光表示に目をやると、あと1分で発車タイム。早足・・・階段から湧き出るような人の波。まるで鮎の滝登り状態で進む。ホームに着くと電車のドアが開かれており発車を待つばかり、・・・発車の合図が聞こえ、慌てて乗り込む。ここは5両目。目指すは1両目。結局、一駅ごとに移動をするのか・・・変な習性だ。慌てない・・と思い直し、4両目まで行ってやめた。そして乗り換え。

さぁ、ここからが今日のテーマです。
次のホームに行くと、電車を待つ列が出来ています。たいてい人が並んでおらず一番目なのですが、今回は乗り換えが遅かった(4両目)からでしょう。それでも入ってくる電車はわりと空いていました。

私はドア際がいやなので、空いていれば座席のつり革があるところに入っていきます。一人の男性も同じ思いらしく、長い座席の真ん中のあたりにスペースがあり、そちらを目指している男性の後を私もつかず離れず後を追いました。(←そんな距離はない)

するとその男性は私の気配に気づいたのか、3席分空いているつり革の一番手前に落ち着こうとして、一番奥に移動してくれました。(感謝)手前には女性二人がいました。私はその女性の横、1席あけてその男性が立ちました。その空間となった1席が問題でした。

ある男性(一見20代サラリーマン)が腰を浅くこしかけ、ひざが人より10センチは出ていたでしょうか・・しかも足を組み(その靴はベージュの超ポインテッドトゥー)携帯をいじっています。私が、その人の前にずれようと思い、少し躊躇したのが問題だったのでしょうか。

電車が動き出し暫くすると・・・・

「あ・し、組むのやめたら?」
ヘッ?!!先ほどの男性が若者にナナメ横頭上から注意しています。
若者はチラッとその男性に目をやり、また平然と無視して携帯をいじり始めています。幸い晴れているので傘はない・・・隣の女性二人は話を突然ストップ、シラーっとした雰囲気が漂います。座っていた男性全員が薄目を開けて、自分のことではないと確認すると、居眠りを始めます。まるで、魔法使いがビビデバビデヴと魔法をかけられたかのように・・お見事!すごい演技、でもきっと耳はダンボ。

「ねぇ、あし組むのやめたら?服にさわっているだろう?」
ヒョェーーー服に?誰の?わ、わたしじゃないですかぁ!めッ、めっそうもございません、私の服はたいした服ではなくて、このスカートもセール品。きっと風に吹かれて、その超ポインテッドトゥーの先っぽにでもひっかかったのでしょう?その触れている服の持ち主の私は気づいていませんから・・・どこがどう触っているのか確認したいものの気持ちが動揺して、下を見られない・・・結構気弱な私だったのね。

30秒ほど過ぎた頃でしょうか・・・男性は携帯を見ながら、ゆっくりと足を下ろしました。ホッ・・・。さぁ、これからが大変です。

私は男性にも、この若者にも「ありがとうございます」と言うべきか。男性にだけ言ったのでは若者の立場がない。男性には注意してくれたお礼を、若者には足をさげてくれたお礼を・・・いや、それは変だ、若者は無礼で、秩序を乱していた、いや乱すというより、わがままだった、いややはり乱していた・・・だからお礼は変だ。これがもう少し年長者だったならなぁ・・・素直に「ありがとう」といえるのに。

下をも確認できず、そんなことをぐるりぐるりとめぐらせながらいつものようにガラスに映る人の表情を確認します。注意した男性は、三谷幸喜似の男性です。

どうしようかなぁ・・・何も言わないのが一番?そうよねぇ、私が注意してくれって言ったわけではないし、イヤ、本来は私はこの男性を注意すべきだったのかもしれない。私こそ偽善者?いや、洋服が触れているとは気づいていないし、いやそーいうことじゃなくて、混んでいる電車の中で足を組んで浅く座っているというのが問題であって・・・でもなぁ、最近は注意しただけで殺されちゃう時代だし。こんなことで躊躇しているんだから、昨年、サンダーバードでレイプされた女性を誰も止められなかったというのはいたしかたないのか!あのときこういう男性がいたら、きっと近くの男性と徒党を組んでやっつけてくれるかも・・あぁいつまでも自分は傍観者なんだ・・今回は当事者なんだしと話は飛躍しまくりです。

相変わらず静かに1駅が過ぎ、2駅目。三谷幸喜似の男性が移動、下車。エッ降りちゃうんですか?そ、そんなぁ。

ばつが悪い雰囲気満載。
こういうときには、何も知らない人が飛び込んで入ってくるのが一番。テレビドラマでもそう、子どものけんかで一触即発後、沈黙の時に、かならず誰かはいる。「どうしたんだぁ」と先生とか、「ねぇねぇねぇ」と何も知らない子が・・ドラマじゃないし。

三谷さんが降りたところで、お礼云々ではなくなり、この気まずい雰囲気打破のために移動開始するしかない!するとタイミングよくかなりの乗客が降りる準備をし始め、その若者の横2席が空きました。そこへ、何もしらない若い女性が我先にと彼の横に座ってくれました。私はその隣へ着座。そのあと、遠ざかるように左どなりがあいて、一番ドア際の席に移動とあいなりました。

今ここで大きな声で「ありがとう」と言いたいと思います。貴方の勇気と心くばり、そして秩序回復の働きのために心より感謝。網棚に置かれた「ありがとう」でごめんなさい。
by lakeforest | 2007-08-02 07:04 | 雑感

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