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師から学んだ「味」

このごろ、どうも昔の記憶が蘇ることが多く、どこからかよばれているのか・・・と思ったりしています。またまた個人的なことで申し訳ないのですが(←ブログですから・・・汗)、幼い頃からお稽古ごとは数知れずの私です。

思いつくままあげてみると、ピアノ、バレエ、お三味線、小唄、書道、お琴、珠算、声楽、手芸、トールペインティング、布花、懐石料理・・・教室に通わなくとも、母や祖母などからの手習いは日本舞踊、茶道、華道・・etc.

この中でものになったのは何一つない、かろうじて懐石料理の先生が、あまりに独身時代が長く、心配してくださり、お料理で自活できるようにと10年近く通い、師範の免許まで取らせていただきました。(←でも、活用していない(涙))

数々のお稽古の中で強烈な個性やオーラをはなっていたかたがいます。黒柳徹子さんのトーク番組にも出演なさった「布花」の故山上るい先生です。大阪弁ということもありますが、布を持たせたら魔術師のように、すばらしい花に仕立てます。山上先生には親子で大変お世話になり、また素晴らしい時をご一緒させていただきました。

もともとは、母が山上先生の布花のアンティークな色のすばらしさとセンスに感動し「色を作り、布を染めあげ、花を組む」という全ての工程を自分で行うことに何よりの楽しさと興味をそそられ、山上先生に弟子入りしました。母もまた、私が結婚しないで独身を貫くものと思っていたせいか、何か手に職を・・ということで、私は泣く泣く(汗)弟子入りさせられたというのが実状です。

その山上先生が、不器用な私をよく励ましてくださいました。
「娘!娘の花には味がある。それが大事や、大切なんです。機械やないんだから。花だって同じでしょう、みんなちがう。誰一人同じ人がいないのと同じように・・」と。

そして超器用な母には「○ちゃん、ええねぇ、気品がある。花はその人を表しますなぁ。娘には娘の、母には母の花がありますねぇ。どっちが苦労しているのかわかりませんけど(大笑)・・」

そんな母にも一つだけ苦手なことがありました。薔薇を組むことです。
すると先生が「母、娘に聞いたらいかがです?・・・・・娘~ぇ!母に教えてあげて」と。

ヒョェ~母に教える?そ、そんな・・・。考えてみたら、私が母に教えることなんて今までかつてなかった・・・たいそうなことです。でも、今思うと、先生はよく人をみていたかただと思います。多分先生は、私が先生のことをよく観察していたということもおわかりだったのだと思います。

薔薇の花の組み方が難しいと母から聞いていた私は、料理教室で、先生の包丁さばきを盗むために必ず先生側に立って、立つ位置や力の入れ方を学ばせていただいたように、山上先生の教室で、座って薔薇を組んでいらっしゃる先生の背中越しに、組む際の緩急を見ていました。そして、ひそかに様々な薔薇を観察しておりました。それをご存知だったのだと思います。

山上先生は、母の並々ならぬ器用さやセンスの良さ(←これは先生が常におっしゃっていました)、私の鷹揚さと創造性を認めてくださっていたのだと思います。

当たり前のことですが、良い師というのは、その人の良さを引き出す力、伸ばすきっかけを与えられる人のことだと思います。

それにしても、山上るい先生のつくった数々の作品は先生ならではの花ばかりでした。
教室の近くの竹下通りを通ると思い出す先生のあの言葉・・・「不器用な方が味がある」、あれから私は自信をもって手芸において味のある作品を作り出す喜びを見出せたのだと感謝しています。

そして、先生がおっしゃるとおり、人を映し出す作品と同じように、自分は真に「味のある人」であるのか・・と思ったりもして。

PS:私のネームカードの写真に映っているカラーは、母の作った布花です。

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 実家にある山上先生の写真(上)と布花「アネモネ」(下)
by lakeforest | 2007-07-25 06:50 | 雑感

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