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ツバメと私のさがしもの

ツバメの巣があったビルが1昨日から解体しはじめました。
今日、その現場の近くを通ると、ツバメが!鳴きながら低空飛行し、ビルを囲っているフェンスにとまり、自分の巣があった方向を暫く見ています。カメラッ!とゴソゴソ出しているうちに、またもや私の前を通過し、今度は90度旋回して、違う方向へ・・・。このビルはLの字型になっているので、反対方向から入っていこうとしているようです。ところが、まさしく巨大な解体機器、そして職人の方々が高いフェンスの上に座って休憩中でした。ツバメは大きな声をたてながら、またもや、どこかへ飛んでいきました。

一緒に見ていた娘が「可哀想に。子どもを捜しているんじゃないの?」・・・・でも、私が解体前のある夜、ソーッとフェンスを抜けて巣を確認しに行ったとき、すでに巣は蛻の殻でした。きっと巣立っていったのだと安心したのですが、娘の疑問に少しひっかかり、なんとなく巣立つにはタイミング良すぎる・・と心配になりました。

不安渦巻くなか、5%ぐらいの可能性を信じ、娘に「あれは子どもツバメじゃないの?お母様が覗いたときは巣立っていったわよ。」と言うと、娘は「いつでも戻っておいで、うちの軒下は空いてますよ~」と空に向かって叫んだのでした。

そうそう、うちは空いているから!と思いながらも、でもチョット待って・・。この頃、カラスがよくくるのです。それでもそのカラスは大きいのに、よく見るとどことなく愛嬌があって、我が家でファン増加中。ツバメはカラスや外敵から身をまもるために人の集まるところに巣をつくると昔習った気がします。ですから、ツバメはちょっと無理かなぁ・・・。でも、うちにくるカラスは、言い聞かせればわかるような顔つきなのです。(笑)プランターに撒いた卵の殻をくわえる姿なんぞ、器用かつ謙虚そのもの、渋谷のゴミ(特に鳥の骨や肉類)をあさっているカラスとは思えない、思いたくない(大笑)。でも、ツバメにとっては天敵そのものです。もとへ・・・

ビルの解体工事は、水を撒きながら進めているのですが、まったく散水がおいついていません。完全に節水モード。いいんだか悪いんだか・・。

その後、私は月に1回通院している漢方の先生のところへ行きました。その近くでも、解体工事をやっています。あッ目にゴミが・・・しかも両目に。コンタクト常用者の私、これはまずい。外さないと耐えられない痛さ。すこし角によっておソバ屋さんの看板に隠れて片方をとります。すると、風で(?)コンタクトが飛んでいったのか、手にはすでにありません。

座り込み、必死になって探します。
ない、ない、ない。通り過ぎる女子高生も、自転車で追い越そうとするオバサンも無情にも通り過ぎていきます。

そういえば、20年ぐらい前、歩行者天国の渋谷109の前で友人と歩いていましたら、まばたきした瞬間にコンタクトレンズを紛失。友人と二人で、人が通らないように両手を広げて、探しだしました。すると、グラサン革ジャン族のお兄さんが「おねぇさん、どうしたの?」「べ、別に・・・」「コンタクトかい?」「は、はい。コンタクトです。」「おーい、コンタクト探すぞ!いいか、踏んだらおしまいだ。おねぇさんたちの言うとおりに探すんだ。」というようなことを言って、探してくれようとしました。そうこうしているうちに、私が「あったぁ~!!」と見つけ、お兄さん達が拍手してくれたことがありましたっけ。そんなことを思いだしながら、必死に探します。

看板にくっついているかも、もしかして、看板を押さえているブロックの中に入ったか?ないないないないナイッ!ぜーんぜんない。諦めて、帰ることにしました。0.01にコンタクト無しは辛い。5歩ぐらい歩いて、(ちょっとまってよ。違う角度から見てみよう・・)と再びしゃがみこみました。探すこと30秒・・歩道のタイルの目地の部分にナナメに着いておりました。

私もツバメも位置を変えて・・・必死に探して・・・。私のものは見つかった。そうだ、やはりツバメは子どもを捜していたに違いない・・・コンタクトを再び装着しながら思いました。そう思うと何だかウルウルし、その涙でゴミはぬぐいさられ、コンタクトをつけても、街も人も全てが滲んで見えたのでした。
by lakeforest | 2007-06-30 20:05 | 雑感

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